7:00起床・集合。今朝もイニさんに案内してもらい徒歩でキムパブに朝食を摂りに出かけた。
8:45ホテルから100m先のスタート地点に移動。ギア比チェック、サインシートを済ませスタートを待った。チームとしては今日がチャンスと見ており、総合で大きく遅れている水谷、白垣が前半の逃げに乗り中盤以降で原井、黒枝、伊藤が動くように指示を出した。
9:20スタート直前に昨日ステージ3位となった黒枝の表彰が行われた。
9:30レーススタート
9:50約8kmのパレードの後にリアルスタートが切られた。
スタート直後から多くの選手が活発にアタックを繰り返すが全く決まらない。平坦区間ではチームカー内のスピードメーターは常に50km/h程度を示しており序盤からハイスピードのレースが展開される。
50km地点で原井が補給を要求。未だに逃げは決まっておらずアタックが繰り返され続けている。相変わらず集団は縦長のハイスピードのレースが続く。
60km地点か20?ほど緩い登りが続く。それでも変わらず集団は縦長でハイペースが続く。
67km地点で9人の逃げが決まる。この逃げには原井と黒枝が含まれた。メイン集団との差はあっという間に開く。当初の作戦通りだ。嬉しいことにこの逃げ集団には総合トップ3が含まれていない。
76km地点で50秒の差が開く。総合を大逆転するチャンスがやってきた。
79km地点で1分5秒。メイン集団のスピードは鈍り始め、脱落者も出始める。ここで前半に動き続けてきた水谷と白垣が遅れた。
80km地点1分10秒に差が開く。差は開いていく一方だ。
82km地点で1分20秒。頂上を通過。
ここでレースコミッセールより先頭集団に選手が含まれるチームカーは先頭まで上がるように指示される。実質この集団でレースが決まると判断されたのだ。
先頭に上がり黒枝と原井にボトルを渡す。2人の表情にはまだ余裕がある。
残り10kmを切ると差は1分30秒に開き、先頭集団内でアタック合戦が始まる。そのほとんどに原井が反応する。黒枝は後方で待機だ。
逃げになれば原井。スプリントになれば黒枝で勝負するつもりだ。
残り5km 集団は一つ。飛び出す選手もいるがなかなか決まらない。
残り2km ゴールを意識しはじめスピードが緩み始める。
残り1km ウズベキスタンと韓国の選手2名の選手が飛び出す。
そのまま2名の選手が逃げ切ってしまい、ウズベキスタンの選手が先頭でゴールした。集団は9秒遅れて後方で2人がゴール。7位黒枝、8位原井となった。
そしてメイン集団は遅れること1分4秒でゴールラインを通過。この集団の中程で伊藤はゴール。
遅れること7分後に白垣がゴール
最後は消耗しきった水谷はタイムアウトにより明日は最終ゴール選手のタイムに30分のペナルティタイムの加算で明日は出走することになった。
水谷は前半、1番動き続けて逃げを作ろうとした。水谷がフォローしきれないときには白垣が動き、チームから逃げに乗り遅れることが無いように動き続けた。
その結果、最終的には勝負所まで温存していた原井と黒枝を重要な逃げに送り込むことができたのだ。
また、メイン集団内に残った伊藤は集団を抑え続け、追走する選手がいれば常にチェックをして逃げに追いつかないようにし、自身も集団の前方でゴールした。逃げ切りを成功させるだけでなく、チーム総合順位アップにも大きく貢献した。
そして逃げに乗った黒枝、原井はゴール着順こそ悪かったが、個人総合順位アップには成功。またチーム総合順位も3位へ上昇することに成功した。
この日のステージチーム順位は2位であり、今日の結果は正しくチームプレーの賜物である。
個人総合
1位:カザフスタン
2位:ウズベキスタン +1秒
3位:韓国 +29秒
5位:原井 +33秒
9位:黒枝 +59秒
25位:伊藤 +6分7秒
49位:水谷 +1時間8分23秒
55位:白垣 +1時間43分18秒
チーム総合
1位:ウズベキスタン
2位:カザフスタン +2分8秒
3位:日本 +4分49秒
4位:ソウル体育高校 +5分24秒
5位:ガピョン高校 +5分26秒
個人総合は原井、黒枝共に展開次第では十分にトップを狙えるところまで上昇した。
チーム総合は3位になったが4位と35秒差、5位と37秒差とまだまだ気が抜けない状態である。
レース終了後は白バイや救急車の先導で、赤信号で停止することなくホテルまで案内された。今日ゴールしたこの地域は、大きな街であるためとても交通量が多い。全チームの選手が一斉に動き始めると事故に繋がるからなのか、選手たちを優先して道路を走らせてくれた。
宿舎に到着後は、今回もイニさんにお願いして、近くのソルロンタンを食した。今日のステージではとても疲労してしまった選手たちだったが、食欲は全く落ちていない。おかわりを要求していたほどだ。
その後は各自で疲れをとるために休養させた。
6:30夕食には明日の最終ステージで踏ん張るスタミナをつけさせるために、プルコギを食べに出かける。皆とても満足したようだ。
明日はいよいよ最終ステージ。選手たちの走りは日に日によくなっている。この順位を守るのではなく攻めた走りで、少しでも良い順位で今大会を締めくくりたい。