大会レポート
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H27全国高校合宿
■1日目(12/19)

本日より4泊5日の日程で恒例の全国高体連トラック合宿が静岡県の伊豆ベロドロームで始まった。

参加選手は全国各ブロック合宿等から推薦された男子30名で、指導者は強化育成部会員に支援スタッフを加えた10名の体制である。合宿の目的は、国際大会を目指す選手の育成と、普段あまり走行経験のない、ベロドローム250mバンクの走行技術を高めることを目的としている。

この合宿はJCFジュニア強化合宿と同時開催で行われており、合宿の途中には、JCFジュニア合宿への参加のチャンスも与えられる。ライバル意識をもち、より自分の力を引き出すような合宿となることを期待したい。

■開講式 … 15:30〜

伊豆ベロドローム250mバンク内において行われた。全国高体連の坂井田理事長、強化育成部大野部会長よりあいさつをいただき、その後指導者の紹介、今後の日程について説明があった

■栄養学講習・・・ 16:00〜17:45

JCF医科学スタッフの小清水孝子先生から「自転車競技選手としての食生活の基本」と題して、ご講義いただいた。

選手として身につけたい栄養の知識として、

(1) 競技選手として強くなるためには栄養の知識をもち、食べる量や食べ物の内容を、自分で意識して工夫して食べなければならない。

(2) 外食やコンビニの食事のとき、偏った食事ならないように注意してバランスよく食品を選ぶことが重要である。

(3) 運動直後の糖質補給が疲労回復につながるので、運動と食事時間についてどのようなタイミングで、どのように食べるのがよいか、具体的なアドバイスをいただいた。

講習では具体的に、各個人が除脂肪量(LBM)の求めて、推定エネルギー必要量を算出した。

また、トレーニング前後でどのようなものを食べればよいか、食品目選択のワークを行った。

よく、筋肉をつけるためには、タンパク質が多量に必要といわれるが、過剰にとっても、タンパク質合成にならず、体脂肪が増えることや体への負担も大きくなることがある。むしろ、日々の食事で栄養素バランスがとれたものを食べていれば、補助としてのプロテインを取る必要はほとんどなく、むしろ糖質の取り方が足りないことの方が問題であると指摘された。

選手としては、ぜひ実践してほしいのは、体調管理を自分で行い、体重や体脂肪を測るようにし、トレーニングと食事を調整していく力を身につけてほしいとアドバイスいただいた。
■2日目(12/20)

■ 起床・体操・散歩  6:30〜

ベロドローム外周の散歩と体操。寒いが穏やかな朝を迎える。体調確認後、7:00から朝食をとる。       

■    #1 補強運動  8:30〜

ウォーミングアップをかねて、腹筋2分、背筋2分、手押し車走路外周半周交代を行った。これで結構体も熱くなったようだ。

 午前333走路でのトレーニング

いよいよ本格的にトレーニングが始まった。 日本競輪学校の333走路に移動して行う。気温8℃と寒いが、天気は晴れて穏やかで、日差しが温かい。

■ #2  20分走(2列集団走行練習)…9:30〜

2班に分かれて、2列の集団走行練習を行う。ギアは49×15、時間は20分。ペースは35〜40km/h程度。

#3 スタンディングスタート500m  1本目49×15、 2本目49×14 10:00〜11:00

時差スタートによるスタンディング500m×3本。0発進から一気に加速してトップスピードにして500m走る練習。
1セット目は49×15で、2セット目は49×14で行う。

■ #4 フライング2周(666m)1周半周半周×3本 (49×14) 11:00〜12:00

1チーム3人で編成し、チームでフライング2周。1走者は1周、2,3走者は半周ずつ走り離脱するチームスプリント方式で行う。チーム内でローテーションして合計3本行う。

午後の練習は体育館でウェイトトレーニングを実施。

■ #5 ウェイトトレーニング … 14:30〜

イトトレーニング種目として、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、ベントオーバーローイング、フォワードランジの5種目を5班に分かれて行った。自転車とラーニングの中でウエイトトレーニングは筋力をつけてより大きなパワーを生み出せる身体をつくることとケガ予防のためである。正しいフォームを身につけることと、適切な負荷で行うことを学んだ。

■ #6 ミーティング  競技ルール講習会 20:00〜

 夕食後、競技ルール講習会を行った、世界選手権トラックのケイリン種目のレース映像をみながら、違反走行や落車事故の起こる原因等について考えた。

明日から250m走路でのトレーニングが始まるが、多少の緊張と不安を抱きながら、早く走ってみたいという期待もあるようだ。250m走路はその形状から特有の技量を必要とするため、走行上の注意点や競走ルールを理解して、明日からのトレーニングに臨むことを意識した

■3日目(12/21)

■ 起床・体操・散歩  6:30〜

ベロドローム外周1周の散歩。天候は曇り、やや風が強いが、それほど寒さは厳しくない。選手たちの散歩の足取りも軽やかだ。

■ #7 補強運動  8:00〜

手押し車、おんぶダッシュ、腹筋、背筋をして補給運動をこなった。

■ #8 15分走(個人でのフリー練習)…8:30〜

初めての250mバンクを走行する選手が多いため、まずは個人でバンクに慣れるための個人走行練習。ギアは48×15、15人×2班で実施。

#9 15分間走 2列走行 9:00〜

2列並走周回練習。A,B2班に分かれて実施。ステアラインを挟み内外2列で走行する。先頭交替は、外列はアウト交替、内列はイン交替。ギアは48×15で15分間行う。
ペースは前半は35km/h程度、後半は50km/h程度まで上げて終了。各自が滑らかなぺダリングと走行ライン、また前後の車間を意識して走行した。

■ #10 20分間走3セット  10:00〜

2列並走周回練習。前項目の15分間走と同様だが、2班同時に半周差で実施。合計3回行った。

選手たちは徐々に250m走路に慣れ、隊列の乱れも少なくなってきた。

昼食

昼食は、糖質の多いサンドウィッチ、おにぎり、菓子パン、バナナの補食を取りながらトレーニングを続けた。

250m走路でのスピード練習は、本数を重ねるごとに各選手とも要領を得て、隊列もきれいな走行になってきた。

■    #11 F1000m×4  12:30〜 

 各班3〜4名で実施。2周の助走後、1周ごとに先頭が離脱するチームスプリント方式で4周走行する。ギア設定は49×14。

■    #12 F1000m×2  14:00〜  ギア:49×14

各班4〜5名で実施。2周の助走後、1周ごとに先頭交代して4週走行する。ハンドルをDHハンドルに変えて行った。やや疲労が出てくるも選手もいた。

■    #13  心理サポート講習会 16:00〜  山田泰行先生(順天堂大学)

選手たちは日頃から練習や試合で緊張してしまうことを経験しているが、その解消法がわからず、うまく力を発揮できない選手もいるようだ。試合時に生じる緊張感をうまくコントロールして、それをむしろプラスの力に変えて実力を発揮する方法について講義していただいた。選手たちの眼差しは真剣でしっかりきいていた様子だった。

■    #14  ミーティング 20:00〜

走行技術向上に関する実態調査として、日頃から学校で指導されている内容や、実践していることについてシートに記入した。

また、250m走路での練習について、大野強化育成部会長からいくつかの注意点について話していただいた。
■4日目(12/22)

起床・体操・散歩  6:30〜

天候は曇り、昨日からの雨はやみ、比較的気温も高い朝を迎えた。ベロドローム外周1周の散歩と体操を終え、朝食をとった。

午前の練習は333m走路で実施。

■ #15 補強運動  8:30〜

ランニング、外周おんぶ・だっこダッシュ、腹筋・背筋を行った。

■ #16 20分間走 … 9:30〜

2列並走で周回練習。A,B2班に分かれて実施。ギアは49×15。ペースは35〜50km/hで徐々に上げてウォーミングアップを行った。

■ #17 F1000m×4本DH… 10:00〜

フライング1000mを7班(各班4名)に分かれて実施。ギアは49×14でDHハンドルを使用。半周ずつ先頭交代しながら3周走行してタイム計測を行った。

#18 補強トレーニング

■ #19 15分間走  14:00〜

2列並走周回練習。A,B2班に分かれて実施。ステアラインを挟み内外2列で走行する。先頭交替は、外列はアウト交替、内列はイン交替。ギアは48×15で15分間行う。
ペースは前半は35km/h程度、後半は50km/h程度まで上げて終了。各自が滑らかなぺダリングと走行ライン、また前後の車間を意識して走行した。

■ #20 F2000m×2本DH… 14:45〜

4〜5人の計7班を編成してF2000m×2本、1周ずつ先頭交代して行う。ギアは前半グループ49×14、後半グループ48×14に設定。 途中でバラバラになってしまう班もあった。かなり疲労がでている選手もいる模様。

■ #21 スタンディング1周×2本 16:00〜

走行する機会がなかなかないので、スタンディング1周を2本行った。 

■ #22  実戦練習  16:30〜 

自由選択でケイリンかポイントレースをどちらかを選び、模擬レースを行う。

ケイリンは各組5人の3レース、ポイントレース50周は14人でそれぞれレースを行った。疲れてはいるもののレースになれば、気合が入る。各選手が、違反走行がないよう心掛けて、競い合った。

夕食後はミーティングを行った。

■ #23  ドーピング講習会  20:00〜 

夜のミーティングはアンチ・ドーピング講習会を行った。ドーピングの歴史に始まり、フェアプレイの精神を基盤として公平で公正なスポーツに参加することを保証するというアンチ・ドーピング活動のねらいや競技者の役割や責務について講義した。また、各個人でスポーツを通して学んだルール遵守や協調性、精神力やあきらめない心などの行動や態度、礼儀や感謝などの大切にしたい価値感を考えた。これらの学習を通して、ドーピングのような不正行為は絶対にせず、スポーツマン精神を身につけ、自らに克ち、自らを磨き、そして成長することができるスポーツマンになることを目指したい。

■最終日(12/23)

■ 起床・体操・散歩  6:30〜

最終日の朝を迎えた。期間を通して、天候に恵まれ、比較的気温も高く、過ごしやすい合宿であった。

■ #24 補強トレーニング 8:00〜

いつものルーティンから午前のトレーニングが始まる。

■ #25 20分間走  9:00〜

2列並走周回練習。A,B2班に分かれて実施。ステアラインを挟み内外2列で走行する。ペースは前半は35km/h程度、後半は50km/h程度まで上げて終了。最終日250m走路にもだいぶん慣れて、隊列の大きな乱れもなく、きれいな走行ができるようになった。

■ #26  実戦練習  10:00〜 

自由選択でケイリンかポイントレースをどちらかを選択して模擬レースを行う。

ケイリンは各組6〜5人で3組、予選と順位決定戦を行う。ポイントレース12km15人でそれぞれレースを行った。最終日、昨日上手くいかなったところをもう一度挑戦できる。違反走行や落車事故がなく、無事にレース終了。

各自自転車の片づけ、ドーム内清掃、トレーニング日誌の記入し、閉講式を行った。

短い期間ではあったが、選手同士が打ち解け、交流が深まった、また、普段の活動では経験できないトレーニングや栄養学やメンタル講習もあり、内容の濃い充実した合宿であった。各選手の今後のさらなる技量向上とレベルアップ、そして全国大会等での活躍に期待したい。

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