2019女子全国合宿レポート
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全国高体連女子トラック合宿が12月21日(土)から24日(火)まで3泊4日の日程で行われた。
今回は日本CSC伊豆ベロドロームが施設工事のため、日本競輪養成所にある新設のJKA250で実施することになった。 この合宿は今回で6回目を数え、全国各ブロックから選抜された女子選手26名と、高体連専門部スタッフおよびトレーナー11名が集まった。 この合宿では普段は走る機会が少ない室内250m走路を使用しながら、集団走行や先頭交代、スタンディングやハロンのかけ方などの基本技術を中心に、競技レベルの向上を目的として行う。 3月末全国選抜大会に向けて競技力向上につながることを期待したい |
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12月21日 | ||
15時に受付後【開講式】が始まる。
中梶専門部理事長挨拶のあとスタッフの紹介および合宿全般の諸注意。 最初のトレーニング、選手のレベルによって4班に分かれて周回練習を行う。 次のメニューは先頭交代しながらの15分間走。 交代はコーナー出口で安全に行う。 バンクの特徴をつかみながらまっすぐは走行することを意識して取り組む。 初日は以上で終了。全体的に緊張と不安のせいか、表情がかたい印象を受けた。 マイクロバスで移動し、宿舎に到着し、6時半から夕食。この合宿で初対面の選手も多いが、少しずつコミュニケーションがとれるようになり、夕食時は笑顔もみられ、会話もはずんでいたようだ。 |
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12月22日
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冬至の朝。起床6時で、6時半から散歩・体操を行い、朝食をとった。
移動して、9時からトレーニング開始。 昨日と同じ4班、2グループに分かれ、15分間集団走行を実施。250走路にもだいぶん慣れ、前後の間隔も徐々につめられるようになってきた。 |
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【スタンディング1周】
スタンディング1周練習2本→ スタンディング1周(S250m)計測2本 250m走路でのスタンディングスタートと200mフライングスタート(ハロン)の技術向上を目的として行う。 スタンディングスタートは、0発進から直線までが短くコーナー部の傾斜がきつい250m走路は加速のしかたが難しい |
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【フライング200m(ハロン)】
フライング200m練習2本 → フライング200m(F200m)計測2本 ハロンも計測ラインが2コーナー手前1センター過ぎにあり、いつもと勝手が違う。かけ下すタイミングやコーナーでの走り方などアドバイスを聞き実践してみる。 |
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午後
F200m 2本 チームF1000m 4本 午前のハロン練習の続きで、F200mを2本計測した。練習ホイールでの計測であったので、12秒台4名であった。 次いで、3,4人のメンバーでF1000mを実施。500mのタイムが近い選手でチーム編成し、15分に1本の間隔で行う。 |
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12月23日
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合宿も3日目に入った。今朝は小雨であったが、散歩を実施した。
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午前
【15分間走】 ウォーミングアップで周回練習を実施。 3日目にもなれば、横の動きも少なくなり、隊列も安定して、車間を詰められるようになってきた。 直線、コーナーの操舵技術も向上がみられる。 |
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【500mタイムトライアル】 スターティングブロックを使用して、500mタイムトライアルを2本計測。 全力で2本タイムトライアルにチャレンジ。 トップタイムは39秒06 |
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昼食 本日も競輪養成所の食堂での昼食。今日は平日で養成所の生徒たちと一緒に食事した
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午後
【女性アスリート講習会】 三宮恵理子氏(JCF理事) トップアスリート講習会 女子スピードスケートの選手で2度の冬季オリンピック出場、数々のワールドカップ優勝の経験を持ち、現在もスピードスケートのコーチである三宮氏に、トップアスリートになるための目標の持ち方、目標達成の方法、トレーニングの取組み方、緊張のコントロール法など、ご自身のさまざまな経験をお話しいただいた。 時折、選手たちに質問を投げかけ、発言させながら、トップアスリートになるためのアドバイスをしていただいた。 最後に「やらされる練習ではなく、やる練習」を意識したトレーニングをすることが大切であると、力強い言葉で伝えられた。 講習会終了後、選手たちは、三宮氏が高校生のときに綴っていた日誌を興味深く見たり、質問するなどしてアドバイスを聞いていた。 今回は直接、オリンピアンから多くのことを学ぶことができ、今後の自転車競技生活に活かしていきたいところである。 |
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沖 美穂氏(JKA自転車振興室)
女性サイクリストのサドルソアーズ(股ズレ問題)講習会 全日本選手権ロードレースで11連覇した日本自転車競技女子ロード選手の第一人者。 引退後は順天堂大学大学院に進学し、研究事例の少ない股ズレについて研究。 女性サイクリストの悩みの一つでもある「股ズレ」についての講習会していただいた。 女子選手はまず、自分に合ったサドルを選ぶことが大事。 股ズレは、男性の指導者になかなか聞けない悩みである。男性でも女性でも発症するが、状況は大きく異なる。 |
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【対応策】
・午前・午後でレーサーパンツを変える。 ・練習の合間、レーサーパンツをこまめに着替える。 ・体に合ったレーサーパンツを使用する。 ・ワセリンよりもアソスクリームやモルガンブルーといった自転車競技専用のクリームを推奨する。 |
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12月24日
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合宿最終日。いつものように起床6時で、6時半から散歩・体操を行い、朝食をとった。
移動して、9時からトレーニング開始。 |
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【周回練習】
最終日は26名を4班に分け、一斉に周回練習に入った。 4日目ということもあり各チーム安定した走りができた。 昨年はベロドロームの250mバンクで落車が続出したが、今年は低速での落車が1件のみで走路面の木材の加工形状の差が表れているように思われる。 |
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【ケイリン模擬レース】 9時20分より、500mTTの計測タイム上位者より班分けを行い、 デルニー誘導によるケイリンの模擬レースを実施した。5〜6名で5班に分け3セット行った。 ケイリンを初めて走る選手もいたが、本数を重ねるごとに安定した走りへと変わっていった。 普段、各県単位で女子選手だけによるレースができていない選手が多く、普段とは違った女子だけによる模擬レースを選手たちは非常に意欲的に取り組めたと感想があった。 |
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【閉講式】 昼食後、競輪養成所333mバンクで閉講式を行った。 中梶理事長の合宿を振り返って講評していただいた。 次いで、今回お世話になったJKA山本様から選手たちへの激励の言葉をいただいた。 短い期間ではあったが、選手たちは、充実した練習ができたことやお互い親睦が深まったようで、達成感あふれる明るい表情が多く見られた。 |
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【おわりに】
JKA様より全国女子合宿に対し補助をいただき実施して6年目になるが、年々女子の競技力、走行技術の向上がみられる。 また、今回は競輪選手養成所の250mバンクを全日程借りることができ恵まれた環境の中で練習できたことは、参加した女子選手全員の競技を続けていくうえで大きな財産となった。 全国各ブロックから選抜された選手同士、あるいは強化部会のスタッフ間の交流も来シーズンに向け大きな意味を持つものと考える |
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この事業は競輪補助金で運営されています
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