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2010日韓対抗学生自転車競技大会リポート

 今年で16回目となる2010年日韓対抗学生自転車競技大会が、11月6日(土)から7日(日)に大阪府岸和田市・岸和田競輪場で開催されました。

 ここでは、大会の概要と高体連選手の活躍を中心にレポートします。

■11月5日(金)

11時45分に韓国選手団は定刻より25分遅れで関西国際空港に到着しました。

 選手団20名のほかオブザーバーが9名の合計29名が来日しました。出迎えはマイクロバス2台とワゴン車1台、自転車運搬用のトラック1台で行い、関西国際空港から高速道路で20分ほどの岸和田競輪場へ送迎しました。

 今回、宿舎は岸和田競輪場のご厚意で競輪宿舎を使用させていただくことになり、韓国選手団は宿舎入り後、昼食を済ませ自転車の整備に入りました。日本選手は15時に岸和田競輪場に集合し、15時30分からの公式練習に備えました。両国の選手は、17時までの練習時間をフルに使い明日の試合に備えていました。

■11月6日(土)

 午前9時から公式練習が開始され、10時から競輪場内で監督会議が行われ、ここで最終のエントリーや競技内容が確認されました。

 12時から快晴のもと開会式がバンク内で行われ、13時からいよいよ今年の競技が開始されました。

 最初はスプリント予選です。高校生の部には、新山君(青森県・八戸工)と武藤君(岐阜県・岐阜第一高)の2名が出場しましたが、韓国選手は2名とも10秒台のハロンタイムで日本選手と力の差もあり最終成績でも韓国選手が1・2位を占めました。

 女子の部には丸田さん(共立女子第二)が出場しましたが、こちらも韓国選手と大きくタイム差を付けられ最終成績も第4位に終わりました。

 次の競技は3km個人追抜競走で、橋本君(岐阜県・岐南工)とこの種目でインターハイを制した黒瀬君(岡山県・岡山工)の2名が出場し、橋本君が3分38秒327で優勝、黒瀬君は3位となり競技終了後表彰式が行われメダルと副賞が授与されました。

 女子の部には、選抜大会優勝の中村さん(奈良県・奈良北)が出場し、2分43秒784で第2位となりました。

 この日の最終種目は1kmタイム・トライアルで、優勝した韓国の選手は1分07秒059で第2位となった新山君はこのタイムと1秒以上の差がつき1分08秒304でした。清水君(山口県・誠英)は1分11秒161で第4位に終わりました。

 初日に競技終了後、18時30分より競輪宿舎の食堂で歓迎レセプションが行われ、多くの方が参加し両国の友好を深める機会となりました。

■11月7日(日)

 午前8時から公式練習が開始され、競技は9時30分から行われました。

 最初の種目はスプリントの順位決定戦、続いて10時30分より団体種目が行われました。

 団体種目は、各カテゴリーで実施種目が決まっており、高校生の部はチームスプリント、大学生の部は4kmチーム・パーシュート、女子の部はチームスプリントが行われます。

 最初は大学生の4kmチーム・パーシュートです。最後まで韓国にリードを許す展開で、僅かの差で韓国チームが勝利しました。

 続いて高校生のチームスプリントです。大学生の部で敗れていますので、ここは何とか勝利したいところです。日本チームは、武藤・清水・新山の3名で並びはこの順です。スタートから韓国に僅かな差をつけられて推移し、最後まで差をつめることが出来ず、2秒近くの差を付けられ韓国チームが勝利しました。

 女子の部も、3秒近くの差を付け韓国チームが勝利しました。この結果、団体種目は全て韓国チームが勝利し、今回はチーム力の差を見せつけられた感があります。

 この後はケイリン決勝です。ケイリンは日本も韓国も大学生が2名、高校生が1名の出走で合計6名のレースとなります。日本チームは、大学生から野口君(中央大)と今井君(早稲田大)の2名、高体連からはインターハイケイリンチャンピオンの清水君(山口県・誠英)が出場しました。昨年は日本人選手が表彰台を独占しましたが、今回は前をとった韓国選手3名がそのまま押し切る形となり、表彰台を韓国人選手が独占しました。

 最後は参加選手全員が出場する男女のポイントレースです。例年はこのポイントレースまでは対抗得点が競っており、優勝国はこのポイントレースで決まっていたようですが、今年はここまで韓国チームが圧倒的に有利で、ほぼ団体優勝を手中にしていました。まず女子の部が行われ、後半5ポイントを3回連続で獲得した近藤さん(鹿屋体大)が22点で優勝。第3位に田中さん(日体大)が10点で入りました。続いて行われた男子の部は、ラップが2回あったり途中から選手がばらけてしまうなどの展開で完走が7名だけになり、入部君(早稲田大)が第2位、窪木君(日本大)が第3位となり優勝は韓国の高校生でした。

 以上で全ての競技が終了し、表彰式と閉会式が行われました。まず、最優秀選手賞の表彰があり、日本チームでは1種目で優勝、2種目で入賞した窪木君(日本大)にクリスタルの楯と副賞が授与されました。

 最優秀監督賞は、韓国高等部の監督にクリスタルの楯が授与されました。

 団体総合では韓国チームが86点対67点で日本チームに勝利し、優勝カップが韓国チームの代表に授与されました。最後に全員で記念撮影があり、日韓の親善交流を目的とした今年の大会も大いなる成果のうちに終了しました。

 今回、特に高校生は韓国との力の差を強く感じました。韓国はジュニアに大変力を入れており、今年のジュニア世界選手権で女子の選手が2種目優勝するなど力を付けており、日本との差はますます広がる傾向にあります。日本もジュニアの強化を何とかしなければならない時期が来ていると思います。

■11月8日(月)

 朝、韓国選手団は宿舎を出発し、お昼過ぎの便で関西国際空港を発ち無事に帰国しました。

 来年の大会は韓国で開催の予定です。今後は補助金の減少なども予想され、全国高体連専門部としては、今大会の総括をして来年の取組みを今後検討して行きたいと思います。

 最後に、この大会中は天気にも恵まれ、落車等の事故も無く無事に終えることができ、この大会の成功に協力頂いた関係各位に本当に感謝したいと思います。

全国高体連自転車競技専門部
理事長 坂井田 米治


開会式

選手宣誓

スプリント予選(新山選手)

スプリント(丸田選手)

ポイント・レース

ポイント・レース(黒瀬選手)

インディヴィデュアル・パーシュート(橋本選手)

インディヴィデュアル・パーシュート(黒瀬選手)

インディヴィデュアル・パーシュート(表彰式)

1kmタイム・トライアル(清水選手)

1kmタイム・トライアル(新山選手)

1kmタイム・トライアル(表彰式)

チーム・スプリント(スタート)

チーム・スプリント

チーム・スプリント(表彰式)

女子ポイント・レース

ケイリン

記念撮影