次の競技は、女子ポイント・レースです。競技は20kmでポイントは10回です。上野さんは、今回の大会でスクラッチでも積極的な走りをしていたので、このポイント・レースにも期待が持てます。
このレースのギア比は51×15Tで勝負です。今日の競技進行は早く進んでいるようでしたが、スタッフがポイント・レースのゼッケンがどこで配布しているのか探すのに時間を取られているうちに予定より30分ほど早くポイント・レースが開始されました。(結局、ゼッケンはセクレタリーのところにあり、それを大野コーチが見つけました)ピットにいた上野さんとスタッフは慌ててスタート地点に走り、スタートには何とか間に合い競技は開始されました。
1回目のポイントはオーストラリアの選手がゴールスプリント制して5点を獲得しました。その後、集団のスピードが緩んだところを上野選手が積極的に飛び出し、集団を引き離し5点を取りに行きましたが、後ろから猛烈なスピードでメキシコの選手に追い越されましたが、上野さんは2位で通過し3点を獲得ました。
次に4回目のポイントも積極的に前に出てポイントを取りに行きましたが、ゴール前で3名の選手に抜かれましたが4位で通過して1点を獲得し合計4点となった。その後はオーストラリアの選手が2回連続で5ポイントを獲得し、かなりポイントでリードしました。7回目のポイントで上野選手を含む4名の先頭集団が出来、その中でポイント争いとなりなりましたが、2位でゴールを通過し3点を獲得し合計7点となった。
この時点でオーストラリアの選手が24点、イタリアの選手が10点、メキシコの選手が8点に続き第4位となった。このあたりでスタッフも手応えを感じ、もう一度得点を取ればメダルにも手が届くところに行けると思いました。
そして9回目のポイントは、残り4周で思い切って集団から飛び出し5点を狙いに行きました。後続も追うのを止めてくれたので、4周逃げ切り5ポイントを獲得し、合計12ポイントとなり第3位に浮上した。残るポイントはあと1回です。
何とか1点でもポイントに絡むことが出来れば3位以内も可能です。最後は中国の選手が飛び出し、後続は集団でゴールしました。
その結果、上位のポイントには動きがなく、オーストラリア選手の優勝と上野選手が第3位の電光板表示がありました。
この結果、ジュニア世界選手権において日本女子ジュニア選手で初めてのメダル獲得となり、トラック初日の元砂君に続く快挙となりました。上野さんは、恩師の大野コーチとともに喜びを分かち合い、大野コーチは「よくやった」とコメントしていました。競技終了後、すぐに表彰式があり上野選手に銅メダルが授与されました。この快挙は、女子競技において新たな1ページを築くものとなるでしょう。
これで日本チームが出場する競技は終了です。これまで日本チームを応援いただき、ありがとうございました。
今回2個のメダルが獲得でき、監督として役目が果たせてほっとした気持ちです。今夜はゆっくり休めそうです。明日は飛行機の関係で帰国できません。これまでモスクワの街に出かけることもあまりなかったので、全員でゆっくり過ごしたいと思います。
監督:坂井田